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学長の挨拶

変わりゆく世界と変わらない真理

 3年あまりにわたって世界中を揺さぶったコロナ・パンデミックもようやく落ち着きを見せるようになり、「普通の日常」が戻りつつあると感じている人も多くなっているかと思います。しかし、コロナ感染の拡大は、私たちに、否応なく自分たちが「当たり前」だと思っていた「日常」の見直しを迫る結果となりました。「コロナ前」と「コロナ後」では、多くの人々にとって、世界は違って見えるのではないでしょうか。コロナを経験した世界は、様々な変化を余儀なくされ、私たちは「ポストコロナ」という新しい世界に向き合っていくことになるでしょう。

 今、長崎の街も、西九州新幹線の開業、出島メッセの開設と、大きくその容貌を変えようとしています。私たちは、私たちの身近で進んでいる変化、そして私たちを取り巻く世界が大きく変わろうとしている中で、自分自身も変化の時を迎えているのではないかと思います。しかし、その「変化の時」の中でも、変わらないもの、むしろ「変えてはいけないもの」も確かに存在します。 振り返ってみれば、長崎は室町、安土桃山の時代から世界に向かって開かれ、江戸時代には西洋へとつながる唯一の窓口として、多くの知識や文化が日本へと流れ込む地であり、変わりゆく日本の最先端に位置する地でした。その中でも外国人居留地があった東山手の小高い地、オランダ坂の上に活水女子大学の本館はあります。そして、活水女子大学は、常に変わりゆく世界の中で、変わらない真理を礎に、140年余の伝統を築いてきました。

 活水女子大学は、今までもそうであったように、これからも新しい時代にふさわしい女子教育の在り方を常に模索し、古い伝統に裏打ちされた「新しい大学」であろうとしています。「変えるべきこと」と「変えてはいけないこと」をしっかりと見極めることができるような学生を育てる大学、活水女子大学はそんな大学です。

活水女子大学 学長
広瀬 訓

活水女子大学 学長
広瀬 訓